
果てしなく最高なオープニング曲
一般的に、メタルのアルバムのオープニングっていうのは、とにかく大げさ。『Master of Puppets』でも、『Keeper of the Seven Keys Part 2』でも何でもいいですが、もったいぶったイントロが多いものです(もちろん、私はそういったアルバムも大好きです)。
でも、このアルバムはちょっと趣が違います。この聴き手の心にスッと入り込んでくるような、不意に夜が訪れるようなイントロの「Mystery Of A Blood Red Rose」が一曲目だから、このアルバムは良いんじゃないですか! メタルのコンセプトアルバムとしてはなかなか新鮮な導入だと思いますよ。ジム・スタインマンが作曲を担当したMEAT LOAFの諸作品、BRUCE SPRINGSTEEN、あるいはJOURNEYのような、アメリカン・ロックの流れを汲む"前向きな元気を感じるけど、どこか哀愁がある"本当に良い曲。美しく重ねられたコーラスも聴きどころです。
実際のところ、この曲はMEAT LOAFがゲスト参加する可能性があったらしいです。実現しなかったのが残念。この曲が気に入った人は、私の生涯トップ10に入る名盤『Bat Out Of Hell II: Back Into Hell』
その他、特にお気に入りの曲
私が特に大好きな曲は上記の曲ですが、それ以外の曲もかなりの名曲揃いです。希望を感じさせる最終曲「A Restless Heart And Obsidian Skies」でアルバムを締めくくるのも最高すぎますね。この曲は、アルバムを通して聴いた最後に聴くのが良いと思います。
まとめ
単純に、クオリティの高い曲が最高の順番で並んでいるアルバムです。ゲスト・ヴォーカリストを迎えることが主流ではないロック/メタルでは珍しい"お祭り感"が味わえる貴重な作品という意味でも、これは聴くしかないでしょう。一曲ずつつまみ食いするのでは味わえない充実度があります。「トビアスは、AVANTASIAの為に良い曲を(EDGUYに回さずに)取っているんじゃないの?」という声がファンから上がるくらい、AVANTASIAの楽曲は質が高い。もちろん、トビアスは否定していますが(すぐ上でリンクしたインタビュー参照)。で、タイトルの〇〇に入る文字がなんなのか、それは"ロマンティック"です。最近のトビアスの作る曲ってすごく"ロマンティック"な曲が多く、このアルバムでは特に顕著だと思います。単にピアノが多いってだけでは無いと思うのですが、その辺りは楽理に詳しい方にお任せします(苦笑)。「無理して他人と違うこと言って目立ちたがってんじゃねーよ!」なんて、言わないで下さいよ。図星なんで。